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青空文庫を400字程度に要約
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 チビ公はおけをくるりとまわした。
豆腐(とうふ)をおけに移して家をでなければならないのである。豆腐も売れない、どうしても六時にはひとまわりせねばならぬのだ。
豆腐おけをかついだチビ公は彼を見ると遠くへさけていた、だがどうかするとかれは途中でばったりあうことがある。

「やいチビ、逃げるのかきさま」「逃げやしません」「豆腐(とうふ)をくれ」「はい」 チビ公は不安そうに顔を見あげた。
「いかほど?」「食えるだけ食うんだよ、おれは朝飯前に柔道のけいこをしてきたから腹がへってたまらない、焼き豆腐があるか」「はい」 チビ公が蓋(ふた)をあけると手をつっこんだ、それから焼き豆腐をつかみぺろぺろと食べて中身を大地にすてた。
「銭はこのつぎだよ」「はい」「用がないからゆけよ、おれはここで八百屋(やおや)の豊公(とよこう)を待っているんだ、あいつおれの犬に石をほうりやがったからここでいもをぶんどってやるんだ」 チビ公はやっと虎口をのがれて町へはらっぱをふいた。

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