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青空文庫を400字程度に要約
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(たがい)に眼を瞠目(みは)って、よくぞ荒浪(あらなみ)に堪(た無口になって、ときには無口の一日が過(すご)される。
心のつながりの無(な)い一日では無い。

わたしを庇(かば)い通した永い年月を他所(よそ)ながら眺めて恨(うらみ)をおさめて居るに相違あるまい。わたしとてよくもこの人を庇い通した――おもえば氷を水に溶(と)く幾年月。
この人は阿呆(あほう)のようだ。
洋行からわたし達がかえるとき巴里(パリ)に置いて来たこどもがこの人に買って寝巻だ。わたしとても寝られぬ夜々(よよ)
おとなびてコーヒーに入れる角砂糖の数を訊(きパリでは手を握り合ってシャリアピンに感心したこども。す手紙ばかりを楽しみにして居るわたし達、冬の灯(あかり)ともす頃は巴里の画室で故郷をおもうと書き寄越した手紙を読んだわたしは直(す)ぐにもこの人を起こす。起きないこの人がたやすく起きる。夜ふけ――外にはかすかな木枯(こがらし)の風。

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