青空文庫を400字程度に要約
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私は話をきいていても、言葉を鼻で嗅ぐようになった。
顔を母が願いを許したのは、ゴルフとは華族とか大金満家とか、特権階級という遊びで寄りつけないものだと話にきいて知っていたからで、だから高価なゴルフ用具もまったく驚く顔色も買ってくれた。若者には華族であろうと大金満家の御曹子であろうと挨拶されてもソッポを向くこと、話しかけられてもフンとも返事をしないこと、その一日の出来事を報告して指示を仰ぐこと、細々と訓示を受けたが、大金満家か大華族に見染められればいいという魂胆で、二人づれでゴルフに行くなんて破天荒の異常事だということなどは気がつかないのだ。 勤めに出たくて仕方がなかった。立居振舞トンマそのものの性質で、敏活また歯ぎれのよい仁義の世界では全然モーションが合わないのだもの、話にならない。 国賊などと呼ばれても平チャラで日劇かなんかグルリと取りまいて三時間五時間立ちン坊をして、ひどく退屈だけれども、退屈でも面白いのである。 PR |
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