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青空文庫を400字程度に要約
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女中のオソヨさんは布団をすて、コートに火がついてコートを羽織も無一物であったが、敏腕で布団と毛布をかりてくるまり、これも活躍で乾パンを三人前、といったって三枚だ、一日にたったそれだけ、あしたはお米を何とかしてあげる、と係りの者がいうので空腹だけれども我慢して、そして私はオソヨさんが、東京は無一物で、どうして帰れることやら、などとさまざまにこぼすのをききながら、私はしかし、ほんとにそうね、などと返事をしても、実際は無一物など気にしてかった。

避難民同士のなかから布団と毛布がころがりこむし、三枚の乾パンでは腹がペコペコだけれども、あしたはお米がくるというから、私は空腹よりも、こうして坐っていると人が勝手にいろいろ何とかしてくれるのが面白くて仕方がない。
私には国はないのだ。
私にとっては国の運命では私の現実であった。
私は人に話しかけられると大概笑うのである。
専務を見ると私は心を変えて伝言をオソヨさんにたのみ、専務にひきとられた。

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