青空文庫を400字程度に要約
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婦人であったが、その夫が婦人から、その婦人が自動車に乗るのを助ける目的で、子供と思われる赤ン坊を受取ったままはぐれて終って、その赤ン坊を宅へ連れ帰り、事情からそのまま預り育てていると云うので、夫が大患に罹った為め、妻たるその婦人が事務所を訪ねて、秘密裡に母親を尋ね出す事を依頼したのである。
事情から考えると棄子とは思われない。 赤ン坊も赤ン坊の母親と思われる婦人も共に相当の身装をしていた点から察しても、生活に困るものと思われない。 その婦人は何かの理由で、赤ン坊を受取った青年を見知っていたのではないか、と云う事である。 手に赤ン坊を渡して、母親が晏如(あんじょ)としている筈がないからである。理由でかは分らぬが、その婦人が青年を知っていたとすると、その婦人は赤ン坊が無事にいつかは幾分落着いていられる訳である。こう考えると、その婦人が訴えて出ない事にも幾分解釈がつく。 赤ン坊を人に預けたまま、行衛を見失った母親が、その赤ン坊の捜索を私に頼む為めに私を訪ねて来た。 PR |
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