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青空文庫を400字程度に要約
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芙蓉(ふよう)の花のように美しい中にも、清楚な趣のあった女のように思われる。
月が出ていた。
数えんや無(いな)
らんことを
曲々たる欄干(らんかん)
らん
君が再三分付(ぶんぷ)
母を拝するを待たんことを要す君須(すべか)
舞わん

 歌が終った時ぶんには、皆の眼に涙が光っていた。
愛卿は趙を送って岸へ出て、離れて往く舟に向って白い小さい手端(てさき)を見せていた。
愛卿はも一度万戸の方を見て恥かしそうに笑いながら外へ出た。
閤の中では愛卿が羅巾(らきん)を首にかけて縊(くび)れていた。
荒廃した家の内からは、返事を者もなければ、出てくる者もかった。
趙は茫然として中堂の中に立っていた。
趙は、東門となった春波門を出て往った。
らん恩情永く隔(へだた)り書信全く稀ならんとは
干戈(かんか)
歌の中に啜(すす)
二人は室の中へ入った。
趙も後から送って出た。
趙も胸がいっぱいになって言おうと思うことが口に出なかった。

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