青空文庫を400字程度に要約
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われらは生きている。万物はその影をわれらの官能の中に織り、われらの生命の内部に潜める衝動はこれに能動的に働きかけて認識し、情感し、意欲する。生命はみずからの中に含蓄的(implicit)に潜める内容を分化発展してわれらの内部経験は日に日に複雑になってゆく。われらの生命は情意からばかりはできていない。
われらの情意が芸術のはなやかな国に、潤いを追うてあこがれるとともにわれらの知性は影の寒い思索の境地に内部生命の統一を求めて彷徨しなければならない。空疎なる主観と貧弱なる周囲とがもたらす生命の沈滞荒廃よりもわれらにとっていっそう切実なる害悪であり、苦悩である。 地との間に立って、一個の自然児として真理を説く思想家ではない。瘠(や)せ地から、蒼(あお)ばんだ白い釣鐘草の花が品高く匂い出ているにも似て、われらに純なる喜びと心強さと、かすかな驚きさえも感じさせるのは氏である。 PR |
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