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青空文庫を400字程度に要約
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トリキナ病の血清注射の研究に使われる鼠や鶏の肝臓で何カ月も飼養されてるイモリがガサガサと音を立ててる間を抜けて彼らは机の前へ行った。机の上にはアルコホル漬けにした蜘蛛(くも)の壜(びん)がいくつも並んでおり、その前の硝子器の中にも伏せられている。単眼の七つが、押し潰されて、そこに黒ずんだ粘液が盛り上っているのだ。

蜘蛛は褐色の剛毛の立っている脚で緩慢(かんまん)に方向を転じた。
一群の子が生れた。それを飼養しておいて今日試験したのである。
兄は赧(あか)「つまり俺の子にも眇(すがめ)は生れないってことになるからなあ。」「おめでたはいつでしたっけ?」「なあに、まだまだだがね。」そして兄は硝子器の中の蜘蛛を窓から外へ抛りだした。
弟は少し憂鬱になって試験所の外へ出た。
今見てきた蜘蛛が頭の中を気がした。
彼はそれを受け取ると微笑しながら机の上の手文庫の中へ抛りこんだ。文庫の中には彼の結婚の候補者の写真がいっぱいになっているのだった。
縁側に出た。

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