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青空文庫を400字程度に要約
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蜻蛉(とんぼ)釣りに蜻蛉の行衛(ゆくえ)をもとめたり、紙鳶(たこ)上げに紙鳶のありかを探したりする煩(わずらわそれが黒眼鏡を掛けだしてから、いっそう静な清浄な感じのする子供になった。弟は勝気な健康な子供であった。

それが、何かしら憂鬱(ゆううつ)を感じるようになった。祭礼で、兄を真中に、歌津子と弟とが両側に並んでお参りをした。
胸の中に不満と淋しさが膨(ふく)れ上っていたのだ。弟は夜着の中でいつまでも眼を※(みは)っていた。
彼は、隣りに眠っている兄の穏かな寝息きを聞くと、起き上って、兄の黒眼鏡を持って縁側に出た。名を幾度も口の中で繰り返えした。
日、弟は兄の友人からこんなことを聞いた。
兄はそこから吊さがっている長い棒を伝って下へ降りてきた。
日はお天気には月見草や手鎖りや草笛に誘われていっしょに道草を食ったり、それからもちろん悪い友だちの冷評と楽書きの的となったりしつつ彼らは毎日愉快であった。

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