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青空文庫を400字程度に要約
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 チビ公と光一は裏門通りから清水屋横町へでた。
「どうしてこういやなことばかりあるんだろうね」と光一はいった。
「だがきみ、社会が正しいものであるなら、ひとりやふたりぐらい悪いやつがあってもそれを撃退する力があるべきはずだ」「それはそうだが、しかし悪いやつの方が正しい人よりも知恵がありますからね、つまり君の学校の校長さんより阪井の方が知恵があります、どうしても悪いやつにはかないません」「そんなことはない」と光一は顔をまっかにして叫んだ。

光一はなにもいうことがでなくなった。
「ぼくはすてきにおもしろい小説を買ったからきみに見せようと思ってね……いまは持っていないけれども晩に届けるよ。『春の悩み』というんだ」「ぼくは小説はきらいだ」と光一はいった。
「たまにはぼくの家へもよりたまえね、豆腐(とうふ)を買ってあげるからね、チビ公」「チビ公というのは失敬じゃないか、ぼくらの学友だよ」と光一はむっとしていった。
光一も走りだした。

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