アイヌ神謡集 獺が自ら歌った謡「カッパ レウレウ カッパ」

日に，流れに沿うて泳いで下りサマユンクルの水汲路のところに来ると，サマユンクルの妹が神の様な美しい容子で片手に手桶を持ち片手に束を持って来ているので縁に私は出し，「お父様をお持ちですか？
お母様をお持ちですか？」と云うと，娘さんは驚いて眼をきょろきょろさせ私を見つけると，色を顔に現して，「まあ，にくらしい扁平頭，悪い扁平頭が
人をばかにして．犬たちよ，ココ……」と言うと，犬どもが駈け出して来て，私を見ると牙を鳴らしている．

私はぐそのまま川底を通って逃げ下った．
様子で片手に手桶を持ち片手に束を持って来たので私のいうことには，眼をきょろきょろさせ私を見ると，色を顔に表して，「まあ，にくらしい扁平頭，悪い扁平頭が
人をばかにして．犬たちよ，ココ……」と言うと犬どもが駈け出して来た．
あんな悪戯をしたので罰を犬どもに殺されつまらない死方，悪い死方をするのです．
悪戯をしなさるな．

原典: 『アイヌ神謡集』 知里幸惠編訳