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青空文庫を400字程度に要約
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戦争中は事務員だったのだが、戦災で一挙に肉親を失った。
「奥さん、ノブちゃんの心境を変えるようになんとか助けて下さいな」「だめ。口説くことだけは独立独歩でなければだめよ」「友情がねえな、奥さんは。すべてこの紳士淑女には義務があるです。それは何かてえと友の恋をとりもつてえことですよ。私が女をつれて友だちに会う。するてえと、私は友達よりも私の方が偉いように威張り、また、りきむです。これ浮気の特権ですな。したがってまた友だちが女をつれて私の前へ現れたときは、私は彼の下役であり、また鈍物であるが如く彼をもちあげてやるです。これを紳士の教養と称し義務と称する、男女もまた友人たるときは例外なくこの教養、義務の心掛がなきゃ、これ実に淑女紳士の外道だなア。奥さんなんざア、天性これ淑女中の大淑女なんだから、私がいわなくっとも、なんとかして下さるはずなんだと思うんだけどな」

 ノブ子さんには大学生が口説いたり附文(つけぶみ)したり、相当なアンちゃん連が二三人ダンスパーティなどと称して踊りを知らないノブ子さんを無理につれて行くから、田代さんのヤキモキすること、テゴメにされちゃあの連中、やりかねねえから、などと帰ってくるまで落着かない。
戦争中でも豆電球をつけなければ眠られぬたちで、戦争で嫌いなのは暗闇であった。
布団の中でねむらせてもらうことにした。

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